塩水選と温湯消毒

昨晩からの雷雨で畑はびっしょり。本日は昼過ぎまでぽんせんを焼きまして、昼過ぎより昨日の続き、種モミの準備です。

 通常、稲刈りされた藁についたモミには十分に充実した大きなモミと、充実出来なかった未熟米とが混ざっている。

 話は脱線するけど、ぽんせんの原材料になるまでには、この後、籾摺り(籾を剥がして、玄米にする過程)で未熟米もある程度除かれ、三畳食品ではその後トーミというレトロな機械(風をおこして軽いものと重いものを選別する機械)で混入している未熟米や籾殻を除いて、最後には目視で異物検査をします。

 左のバケツには食塩が溶かしており、卵が縦に浮いて10円玉くらい見えております。この時比重が1:10くらいです。塩水選とは、海水で体が浮くのと同じ原理で、比重をきつくし、選別を厳しくする、という事。一般的には1:13らしいけど。

 右のは、昨日手で脱穀された選別前のモミですね。

さ〜モミが投入されました!未熟米が浮いていますので、それらを取り除きます。未熟米はモミガラと玄米の間に隙間があるので浮かぶんですね。

浮いた未熟米が取り除かれ、いわば精鋭達。モミが重いって事は、発芽して成長する為の栄養をその分蓄えている証拠!逆に未熟米はなんらかの理由で充実出来なかった訳で、発芽はしても成長する過程で病気になったりする可能性が高いと言えます。慣行農法では田植えする際、3本〜5本植えるらしいですが、当農園では1本植えなので、その苗の育ちが悪ければソコは欠株となります。

60℃のお湯に10分間浸します。これが温湯種子消毒。モミは病気の原因になる細菌やカビが付いていることがあり、通常は農薬で消毒されますが、もちろん当農園は農薬を使わないので温湯消毒を採用。

最後はたんぼの水を引いている山の小川に重しを付けて「浸種」。積算温度100℃で発芽するらしいが、今回は1週間後に催芽する予定。「浸種」することによってモミに含まれるアブシジン酸が流されるのだ。アブシジン酸は多くの種子に含まれる発芽抑制?休眠ホルモン?で、要は秋に実った後、これから冬だってぇのに間違えて発芽しないようにする為の自己防衛システムだね。これがモミに含まれる量がバラバラなもんで、そのまま種蒔きしたら発芽が揃わないんだが、長く「浸種」することによって、それを流してしまうのだ。先人達の知恵です。

帰りにうちの麦畑に立ち寄ると、うちの畑の下がたんぼに!!!

屋久島では3月に田植えして7月には稲刈りが標準。秋口の台風対策のようだ。ただ、屋久島でも昔は5月植えの9月穫りだったらしく、その方がウマいとオジイ達は口を揃える。慣行農法で肥料たっぷり吸わせた稲穂はやっぱり重過ぎてデカい台風が来たらひとたまりもないのだろう。

 本来、登熟期間(穂が充実する期間)が長いほどウマく米粒が大きいらしく、だから米所は涼しい地方が多いのだ。屋久島の夏は暑過ぎるから登熟期間が短くて米粒が小さい。少し暑さが和らぐ9月に実った方が粒が大きく、ウマいはず。実際昨年は色々あって10月に刈ったが粒が大きかった。無肥料の1本植えの当農園の栽培方法では、慣行農法の稲穂みたいにはならないから台風にも強いはず。。。あせらず粛々と田植えの準備を進めます。でも台風はやっぱり怖いけどね。